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2009年11月20日

火災保険

■火災保険

火災保険は損害保険の一つで、火災によって被害を受けた「建物」と「建物内部の物品」を補償するものです。
住宅内であれば、家具、電化製品などの家財道具。工場の設備や、在庫商品などを契約することもできます。

火災被害といっても、ほとんどの保険商品では、風水被害を含めています。
確率的に、火災と同じぐらいの危険度だからです。
ただし、天災の中でも、地震、津波、噴火と、それらが原因による火災は、火災保険の対象外となります。
地震大国日本では、地震による被害は、いつどこでだれが受けてもおかしくない状況で、大規模災害が予測されるため、特例となっているのです。
これらの被害へ対応する場合には、地震保険がオプションとなっています。

基本的には、火災の原因についての制限はありません。
自動車保険などでは、自損は支払われないこともありますが、過失での出火でも不審火でも、保険金は支払われます。

ただし例外もあります。保険会社が、支払わなくてもよい事例は、
・戦争その他の変乱によって生じた損害で特約にない場合(第640条)
・保険の目的の性格若しくは瑕疵(かし)、その自然の消耗又は保険契約者若しくは被保険者の悪意若しくは重大な過失によって生じた損害(第641条)
と決められています。
これらは、「商法」に支払いの適用外特例として記載されています。
保険は商品なので、商法の適用を受けるのです。
ですから、どこの保険会社の商品でも、同じ適用になります。
もちろん、あらゆる場合にでも保険金が必要な場合は、特約を結んでおく必要があります。
ただし、確率に対して、膨大な金額になると思われるので、一般的ではないですね…。

火災保険の区分

■火災保険の区分

火災保険の契約は、大きく3つの目的によって、区分けされています。

1・建物

一戸建て、マンションなど「建物」が対象となります。
建物のほかにも、カーポート、納屋、塀、垣、タンクなども対象になります。

その中でも、補償される部位は「主要構造部」などと、細かく規定されてくる場合もあります。
主要構造部とは、建築法規の中に規定されている用語の一つです。
建物の構造上、「重要な役割」を果たしている部分のことで、壁・柱・床・はり・屋根・階段が該当します。
つまり、これらを外してしまうと、建物として成り立たない部材のことです。
ですから、構造上重要でない最下階の床、間仕切り用の壁、間柱、つけ柱、局所的な小階段などは、主要構造部からは外されています。

しかし、実際に被害が多いのは、間仕切り壁にひびが入った、ひさしが落ちた…など、構造上、がっちりと取り付けてられていない部分です。
補償が、主要構造部という制約があったときには、多くの損害で保険金が降りないことになてしまうので、適用範囲を確認しておかなければなりません。

2・家財
字のとおり、家の財産のことを、家財といいます。
基本的には、動かすことのできる物です。
家具をはじめ、電化製品、服、小物類など、「建物」でないものは、家財に相当します。

補償の対象には、金額設定がされており、たいてい、現金や証券類、高額の貴金属は、対象外になっています。

3・その他
建物にも家財にも相当しないものもあります。
事務所や商店の設備、什器、備品、商品営業用に使用するものなどが相当します。

火災保険の商品

■火災保険の商品

火災保険の商品タイプには、次のようなものがあります。
保険会社によって、それぞれ特徴があるので、適しているものを選ぶようにします。
よく似ている商品でも、特約がセット販売になっているだけで、保険料が違ったり、適用に違いがあるので注意します。

◆住宅物件
住宅火災保険 … 火災・落雷・爆発・風ひょう雪災による損害
住宅総合保険 … 外部からの物体の落下や衝突・給排水設備事故による水濡れ・騒擾(そうじょう:集団で騒ぐこと)・盗難・水災による損害を含む
家財保険 … 家財を保険の目的とした火災保険
長期総合保険(積立型保険) … 損害補償については、住宅総合保険とほぼ同じような内容で、満期時に満期返れい金の給付がある貯蓄型保険。
団地保険(マンション保険) … 高層物件の場合、水災補償が除かれるため、保険料も割安になる
地震保険 … 地震、津波、噴火と、それらが原因による火災被害。ほとんどの保険会社ではオプション扱い。

◆一般物件(商店、事務所、工場など)
普通火災保険 … 火災、風水被害。個人住宅、商業用施設ともに加入できる
店舗総合保険 … 店舗設備や商品などを対象


★リスク細分型
保険をかける時、あれもこれも心配になるのは当然ですが、万が一を考えすぎると保険料も膨大になってしまいます。
居住地によっては、天災の受けやすさ、近隣被害の受けやすさなどに差があり、保険料も地域設定がなされていますが、補償内容についても個人で選択することができるようになってきています。
これを「リスク細分型」といい、消費者が不要と判断した補償を外すことができます。
自分が支払っていけるだけの、保険料に合わせることもできるし、合理的に加入できるようになってきているのです。

火災保険の補償内容

■火災保険の補償内容

一般的な火災保険では、基本の補償範囲は
・火災
・落雷
・破裂・爆発 などです。

商品によって補償の範囲はさまざまです。
たとえば、水災補償については、基本契約に含まれている商品も多いのですが、
高台に立っていたり、そもそも平地で降水量が少ない地域であったりと、立地条件によっては、必要のない場合もあります。
そういった場合に、特約として自分で選択できる商品を選ぶか、任意で取り外せるものを選んだほうがよいでしょう。
自動車保険と同じく、その家ごとに、また人によって必要とされる補償が違うので、かなり多くの選択肢が用意されています。
リスク分散型とされるものは、基本補償を最低限に、ほとんどの補償を組み合わせるようになっています。
ですから余計に、保険金の比較はしづらいのですが、予算に沿った保険が欲しい現代にとっては有難いシステムですね。

補償の中で分かりにくい項目を説明しておきます。

<風災>
強風を原因とする災害です。
台風により、屋根が吹き飛ばされた、強風で窓が割れた、瓦が飛んだ、カーポートの倒壊…などが対象となります。
竜巻が対象になるかならないかは、保険会社によって見解がわかれます。

<ひょう災>
雹(ひょう)とは、積乱雲から降る直径5mm以上の氷の粒のことです。
ひょうが窓ガラスや瓦にあたり割れた場合などに対象となります。

<雪災>
豪雪、雪崩による被害が対象です。
豪雪で屋根が落ちたとか、建物が壊れたりした場合、
雪の重みで建物や、付属物(雨どいやカーポートなど)が破損した場合に対象となります。

<爆発>
爆発事故による損害が対象となります。
たとえば、隣の家のプロパンガスが爆発して建物が一部損壊した…などが対象となります。

<落雷>
落雷による衝撃損害、電気機器への波及による破損被害が対象となります。

<建物外部からの物体の落下・飛来・衝突・倒壊>

<騒じょう(騒擾)>
群集や集団による事件などが起きて、社会の秩序を乱されることです。
暴動とはいかないまでも治安維持上、重大な事態と認められる状態です。
ある一定以上の規模の集団によって、著しく平穏が害された場合、被害を生じた場合に補償の対象となります。

<水災>
洪水・高潮・集中豪雨などによる土砂崩れが原因で、住宅が流出、倒壊、床上浸水などの被害を受けたばあい、被害を受ける可能性がある場合に補償の対象となります。

<水漏れ>
基本的には建物内部の設備の不具合などによって起こる損害が対象となります。
たとえば、マンションの上の部屋の住人の過失による水濡れ、給排水設備の事故による水濡れ損害などです。

<物体の落下・飛来・衝突>
たとえば、投石で玄関のガラスが割られた場合、他人が所有・運転する自動車が家に衝突した場合などに補償の対象となります。
加害者が分からないことの多い被害内容です。

<持ち出し家財の損害>
旅行や買い物など、一時的に持ち出された家財が日本国内の建物内で破損したときに補償の対象となります。

火災保険の評価

■火災保険の評価

保険金額(支払い金額)は、対象となる建物の評価額によって決められます。
ですから、同じ立地条件、規模の住宅でも、築年数によって保険料は異なり、原則として建物の評価額が補償の上限となります。
一般的に、建物の評価額は、年数がたつごとに下がっていくので、保険料も下がるはずなのですが、長年契約を維持しいて、更新の時も見直さないままにしておくと、
建物価値にたいして、高額なかけ率で保険金を支払っている可能性があります。
しかも、実際に被害にあったとして、保険金支払いの段になったときには、その時の建物の時価額が支払い対象となります。
つまり、全損したとしても満額支払われないかもしれないということです。

自動車保険では、耐用年数で金額が下がっていくのは常識なので、しっかりチェックされますが、火災保険では見逃されるケースもあるらしいので、損しないように注意しておきましょう。

◆再調達価格(新価)
生活を立て直すのに、建て直しに必要な保険金が出る再調達価格(新価)によって契約します。
建直しに必要な材料価値や環境状況などを考慮した上で1�uあたりの単価を導き出し、床面積にかけて算出します。

新築費単価 × 地区別指数 = 地区別新築単価 
※基礎が使える場合(再建しない場合)には、その分割引されます。(100%−減算率)

 ↓

地区別新築単価 × 述床面積(�u) = 新築費

 ↓

新築費 + 建築付属設備の実額加算 = 再調達価格(新価) 
※建築付属設備の実額加算は、実態により調査されます。 


◆時価
経過年数によって建物の評価額がさがっているため、年々保険料が安くなります。
再調達価格をベースに耐用年数・利用残年数などを利用して算出します。

再調達価格(新価) × (100%−経年減価率 × 経過年数) = 時価


◆家財の評価
家財保険の評価は、世帯主の年齢と家族構成で決まります。
世帯主となれるのは18歳以上で、実態調査によって保険金額の増減があります。
しなければなりません

保険契約の注意

■保険契約の注意

保険の言葉や内容は、難しい言葉使いが多く、解釈するのも大変です。
契約するときには、案外慎重に説明を受けて理解しているものですが、長期契約ともなると忘れてしまうこともあるし、実態にそぐわなくなってくる項目もでてきます。
そのうえ、改定されていたりすると、いったい自分に必要な補償だったのか、わからなくなってしまいますよね。
契約が面倒だからと、前年と同条件で継続したり(自動契約でありがちなパターンです)、
逆に、保険料が高いからと、建物の評価額を下げると、十分な補償を受けられないことがあります。
やってはいけないケースをかいておきます。充分注意してくださいね。

◆超過保険契約
建物の時価額以上の保険金額を掛けた契約です。
保険金の支払いは、建物の時価額なので、超過分は無駄に保険料を支払うことになります。
これを避けるためには、契約更新時に、毎回、建物の適正な評価をしなければなりません。

(例)
3000万円で住居を購入しました。
「時価評価分しか補償されない」火災保険で、保険金額3000万円の契約をしました。
10年後、自動更新をしていると、評価額は下がっているので、事故にあっても3000万円は下りません。


◆一部保険
建物の時価評価額にたいして、保険金が満額出ない契約です。

(例)
3000万円で住居を購入しました。
火災保険で、保険金額1500万円の契約をしました。
これは、上限が1500万円という意味ではなく、支払いの割合を示している場合が多いので、
もしも、100万円の損害があったとしても、保険金は50万円しか出ません。

火災保険の特約

■火災保険の特約

◆建物・家財に対する危険を補償するもの

<地震火災費用補償>
建物・生活用動産が地震・噴火・津波を原因とする火災損害を受けた場合に、臨時費用や取片付け費用、見舞金などについて支払われるものです。

<地震火災費用保険金支払割合変更特約>
地震等による火災が原因で建物が半焼以上等となったときに支払われる「地震火災費用保険金」の支払い割合を、拡大すことができる特約です。

<家財追加補償>
事故によって壊れた家財の修理費用を補償するものです。

<持ち出し家財追加補償>
旅行や避難先に持ち出した家財が、事故で壊れたときの修理費用を補償するものです。

<携行品損害補償>
旅行中に自分の持っている物(携行品)が破損、盗難に遭った時に、修理・購入費用を補償するものです。
「持ち出し家財追加補償」と補償内容が被る部分もありますが、こちらは基本的に「持ち物」が対象になります。

<破損・汚損損害等>
対象物が保険事故によって壊れたり、汚されたときに修理・買い替え費用を補償されるものです。
「盗難補償」や「騒じょう」など、他の補償に含まれている場合もあります。

<受託物賠償責任補償>
委託物、預託物の保管・管理中の破損時に、賠償金を補償するものです。

<引越中家財担保補償>
引越し中の事故に備えて、破損、紛失の補てん費用が補償されるものです。

<別居人家財担保>
単身赴任や下宿など、同一世帯でも別居している場合に、離れた住居の家財も補償するものです。

<店舗賠償責任担保>
店舗と住宅の併用住宅に付加される特約で、店舗部分の損害を補償するものです。

<水災危険不担保>
自然災害時の水災による損害を補償の対象とするものです。
住まいの立地条件によって必要ない場合に特約として付加することで、保険料を安くすることができます。

◆日常生活における危険を補償するもの

<バリアフリー改造費用補償>
家族がケガなどの事情により要介護状態になった場合、建物の改造費用を補償するものです。

<電気的・機械的事故補償>
建物の空調設備や排水設備が、故障したときの修復費用を補償するものです。

<防犯装置設置費用担保>
盗難を防止するために設置する設備の費用を負担するものです。

◆事故発生時に伴う諸費用を補償するもの

<価格協定保険>
保険金額を限度として、実際の購入に必要な額の保険金が支払われるように付帯されるものです。
物品は経過年数ごとに、価値が下がっていくものですが、事故などで使えなくなった時、時価では新しくするのに全く資金不足になってしまうため、必要な価格を設定しておく必要があります。

<再築時諸費用補償>
事故によって、建物が崩壊した時に、再建築するための費用を補償するものです。

<構内構築物修復費用担保>
建物と同時に損害を受けた住宅構内の庭木や灯篭、遊具などの構築物の修復費用を補償するものです。

<建物臨時賃借費用補償>
事故時に、緊急に避難した時の臨時の宿泊費用や、建物が崩壊したときの仮住まい費用などを補償するものです。

<法律相談費用・弁護士費用等担保>
損害の修復のための法律相談を行うための費用を補償するものです。

◆近隣に損害を与えた時の費用を補償するもの

<類焼損害等補償>
自宅が火を出したことにより、近隣の住宅・家財を火災被害に遭わせたときの修復費用を補償するものです。

<個人賠償責任補償>
他人にケガをさせたり、他人の物に損害を与えたりしたときの賠償費用を補償するものです。

◆盗難発生防止に対する費用を補償するもの

<ピッキング等対応費用補償>
ピッキング等の犯罪行為によって出入り口を壊されたときに必要となる、ドアロックの交換、修復費用を補償するものです。

<建物機能回復費用>
盗難時に、再発防止のために必要なの改造費用を補償するものです。

◆賃貸住宅の入居者に対して危険を補償するもの

<借家人賠償責任補償>
借家人が、持ち主に対して負った賠償責任の費用を補償するものです。
一般的な修理代ということで、「修理費用補償」という名称の場合もあります。

<借用住宅修理費用補償>
借家住宅が事故によって破損した時に、その修理費用を補償するものです。

<専用使用権付共有部分修理費用補償>
バルコニーや集合出入り口などの共有部分が損害をを受けたときの修理費用を補償するものです。
「バルコニー等修繕費用」という名称の場合もあります。

<ドアロック交換費用補償>
ドアの鍵が盗まれたときに、ドアロックの交換費費用を補償するものです。

<水道管凍結修理費用補償>
凍結によって壊れた水道管の修理費費用を補償するものです。

◆賃貸住宅のオーナーに対して危険を補償するもの

<家賃保証>
借主が賃貸料を払えないときに、保険会社が代位弁済するものです。

全損・半損の基準

■全損・半損の基準

保険金給付の条件に、建物の壊れ具合が記されています。
実際に、建物の損害が発生した場合には、保険会社の職員が現地評価を行います。
保険会社から依頼された建築士などの専門家が調査することが多いようです。

「全損」「半損」「一部損」の認定は、「地震保険損害査定指針」に従って行います。
これは、地震保険の損害認定処理を迅速・的確・公平に行うために、損害保険協会が制定した損害査定指針なので、どの保険会社が評価しても同じ結果がでるようになっています。


<全損>
◆建物
主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の額が、建物の時価の50%以上の場合
消失または流失した床面積が、建物の延床面積の70%以上の場合
◆家財
家財の損害額が家財の時価の80%以上の場合

<半損>
◆建物
主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の額が、建物の時価の20%以上50%未満の場合
消失または流失した床面積が、建物の延床面積の20%以上70%未満の場合
◆家財
家財の損害額が家財の時価の30%以上80%未満の場合

<一部損>
◆建物
主要構造部(基礎、柱、壁、屋根等)の損害の額が、建物の時価の3%以上20%未満の場合
建物の床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水を受け損害が生じた場合で、その損害が全損・半損にいたらないとき
◆家財
家財の損害額が家財の時価の10%以上30%未満の場合

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